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第30章 〜早紀の告白〜

「あ....」

「....」

「ごっ！ゴメンなさい！痛かった？！」

「このパターン多いけど....キライじゃないです。」

とっさに、早紀がケガしないように抱きしめることに専念したせいか、けっこう強めに頭を打ってしまった。

「ごめんなさい、でも、ぎゅーってしてほしかったの。」

「....」

早紀はそのまま私に強く抱きつくと、一気に濃厚なキスを始めた。

「....すき....ホントはずっといっしょにいたい....」

早紀は相変わらずかわいいことを言う....

これが演技であったなら、もう私の負けでいいと思った。

しばらく、ぼ〜っとしながら、そのまま早紀とキスをしていたのだっが、少し我に帰った。

「あ！」

「どうしたの？」

「そろそろ店員さんが飲み物持って来ますよ。」

「あ。」

早紀も正気に戻ったのか、そそくさとソファーに座り直した。

私の予想は的確で、それから30秒も経たずに店員が飲み物を持ってきた。

とりあえず店員が出て行くのを待ち、しばらく二人で飲み物を飲んでいると、早紀が吹き出した。

「ぷっ、うふふふふ」

「なんか高校生カップルみたい！」

「早紀さんは突然飛びついてくる女子高生だったんですね。」

「そんなことないわよ。エネルギッシュなほうではあったけど....」

「でも、あなたが一緒にいたら、やっぱり飛びついてたかもしれない....」

「ヒラヒラとかわしてたかもしれませんよ。」

「あら、私が抱きついてくるのがイヤだってこと？！」

「それに、もう2回も私に倒されてる誰かさんは、ひょっとして運動とかニガテな高校生だったりして。」

「む。それは聞き捨てなりませんね。ちょっとスポーツは自信ありますよ。」

「球技なんかは全般的に得意です。」