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郁美の真実 parallel story
第31章 〜回想、早紀、小学5年生〜
彼の名前はM。

純血の日本人ではあるが、外交官である父親とともに南米ベネズエラで5年あまりを過ごし、父親の転属によって帰国した帰国子女であった。

彼の容貌は色黒で体も大きく、モヤシ揃いの私立小学校の中ではひときわ異彩を放っていた。

Mは、凶暴とまではいかないが、それまで育った環境がハングリーかつ、大らかなこともあり、その豪快で行動的な性格は、お坊っちゃま、お嬢さまが集う名門校では異端であった。

しかし、彼は、幼少から海外で揉まれた経験から、しっかりとした自立心、行動力、語学力、ユーモア、圧倒的身体能力、悪さを身につけていた。

転校から1カ月ほどが過ぎると、彼の「納得できないルールには従わない」というようなスタイルに刺激を受けて勘違いする連中が現れた。

早紀のクラスは以前のような統率を欠き始める。

そんな中、これまで自分たちが守ってきたヌルい集団に変化をもたらしつつあるMの存在感に危機感を覚え陰口をたたく者も多数いたが、本人に面と向かって文句を言える者はいない。

連中は、自分たちの平穏を守るため、ここぞとばかりにリーダーである早紀を祭り上げ、Mに対抗することを企てるのだった。

一方、早紀もMに対して苛立ちを感じていたのだったが、感じ方は腰抜け連中とは少し違っていた。

早紀は賢かった。

早紀は彼が放つ魅力の正体について分析していた。

これまで属してきた集団にはMのような存在はいなかった。

彼には、なにか人を惹きつける魅力があることは否定できない。

早紀は優等生であり、これまで学校内で定められたルールを破ることはなかった。

しかし、中には大人が効率よく子どもたちを統率するためのものであることが明らかなものもあれば、まったく理解できない無意味なルールさえある。

そのことに気づき、矛盾を感じながらもそれらを飲み込み、リーダーとして振る舞っていた。
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