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郁美の真実 parallel story
第31章 〜回想、早紀、小学5年生〜
Mは、いともたやすくそれらの矛盾に従わないことを決めて実行する。

Mの、しっかりと矛盾に対して自分なりの考えを持っている部分に強い共感を覚えるのだが、あえてそれを我慢している早紀にとっては、Mの自由な振る舞いに憧れる一方、強い嫉妬さえ感じる。

早紀の苛立ちの正体はMへの共感と嫉妬が入り混じった感情であった。

そんな中、ある事件が起こる。

Mの転入から2カ月が経ったころ、クラスは既存の勢力と、Mを支持する勢力に二分されるまでになっていた。

Mは時間に大らかであったり、服装が奔放であったりといったことはあるものの、なにか粗暴なことをするでもなかった。

しかし、彼に感化された一部の勘違いした者たちが授業妨害をしたり、他人を激しく中傷したりといった行動に出るようになった。

それまで直接Mに抗議めいた態度を示さなかった早紀であったが、Mにルールを徹底して守らせ、従わせることにより彼に感化された者たちを封じ込める策に出た。

とある平日の昼休みの終わり、早紀はMに対処するために行動に出る。

Mにはすでに素行の悪い何人かの取り巻きがいたが、いつも集団行動をするわけではない。

Mは昼休みになると単独行動を好み、校内のどこかに姿を消すのだった。

早紀はMの行動について、数日監視していて、どうやら昼休みには体育館の用具室に勝手に入り込み、そこで昼寝をしていることを突き止めていた。

早紀は昼休みが始まるとMが教室に向かうのを確認し、単身で体育館へ向かった。

おそらく昼寝でもしているであろうMの根城に乗り込み、機先を制してから、日頃の身勝手な生活態度について警告を与える作戦だ。

口げんかなら負けはしない。

早紀には、Mが何を言おうが論破してルールに従わせる自信があった。

早紀が体育館に着くと、そこには誰もおらず、しんと静まり返っている。

早紀の学校では、安全管理の観点から、休み時間に生徒が体育館に出入りすることは禁じられていた。

早紀が体育館に入り、用具室の扉を見てみると、わずかに扉が開いているのがわかった。

早紀はMがここにいることを確信し、意を決して乗り込むのだった。
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