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郁美の真実 parallel story
第31章 〜回想、早紀、小学5年生〜
やがて、早紀の学校も遅めの冬休みに入った。

持ち前の向上心とMへの対抗心から、一見立ち直ったかのように見えた早紀だったが、学校でMと顔を合わせるという緊張感から解放された早紀に異変が起こりつつあった。

Mに辱めを受けた場面を何度となく夢に見るようになった。

恐怖で目を覚ます早紀。

やがて、その恐怖は夢だけでなく、日常の中でも早紀の頭の中を大きく支配するのだった。

「....負けない」

その強い思いが、不思議な方法で早紀を恐怖から解放する。

相変わらず早紀は辱めを受ける夢を見るのだったが、あるとき、夢の中で早紀に辱めを与える人間がMではなくなる。

誰なのかわからない。

やがて、その誰かは、厳しくも優しい言葉を早紀に投げかけるようになる。

夢の中でその誰かから性的な辱めを受けるのだが、その口調は諭すような優しいものになり、夢の中の早紀は、その命令に身体を委ねるようになった。

もはや、その夢には恐怖はない。

これまで、両親のほかの誰かに命令されたり、従属させられるといったことがなかった早紀は、従い、身を委ねることに快感を覚えるようになった。

恐怖に支配された早紀を、早紀自身の頭脳が防衛するための機能が働いたせいだったのかもしれない。

早紀は、その、優しい誰かに辱めを受ける夢を見た朝、秘部が愛液を分泌していることに気づいた。
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