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郁美の真実 parallel story
第31章 〜回想、早紀、小学5年生〜

Mから受けた辱めのトラウマから脱した早紀であったが、皮肉にも、自分の中にいる本当の自分を発見することとなった。
誰にも負けたくない。
私がリーダーになる。
上昇志向が強く、負けず嫌いな自分。
これは、幼少期から父親に刷り込まれて出来上がったものではないのか....
実はそれだけではなかった。
もともと頭脳明晰であったことは、生まれもってのことである。
また、理論的で頭の回転がいいが故に、自らが所属する集団を良い方向に導くすべを考えることができるという能力は、決して誰かから刷り込まれただけで可能になることではなかった。
しかし、早紀の中に自分に対する疑念が生じる。
夢の中に現れる「誰か」
彼は優しく早紀に言葉を投げかけてくる。
「早紀、いい子だね」
「私の言うとおりにしなさい」
「恥ずかしくはないんだよ」
「ほら、足を広げてごらん」
早紀は夢の中、その命令、指示に従い、身を委ねる。
信頼できる相手から、指示を与えられ、何も考えず、ただ従う。
すると、お褒めの言葉がいただける。
さらにその言葉を求めて従順になる。
これまでに知らない快感だった。
本当の私....
私は誰かに支配されたがっている。
しかし、本当の自分でいられる状況は、きっと心から信頼できるパートナーを必要とする。
どのみち、そんな状況など、きっと実現することはない....
図らずも自分の中のもうひとりの自分に気づいた早紀であったが、その、もうひとりの自分を封印して生きることにした。
誰にも負けたくない。
私がリーダーになる。
上昇志向が強く、負けず嫌いな自分。
これは、幼少期から父親に刷り込まれて出来上がったものではないのか....
実はそれだけではなかった。
もともと頭脳明晰であったことは、生まれもってのことである。
また、理論的で頭の回転がいいが故に、自らが所属する集団を良い方向に導くすべを考えることができるという能力は、決して誰かから刷り込まれただけで可能になることではなかった。
しかし、早紀の中に自分に対する疑念が生じる。
夢の中に現れる「誰か」
彼は優しく早紀に言葉を投げかけてくる。
「早紀、いい子だね」
「私の言うとおりにしなさい」
「恥ずかしくはないんだよ」
「ほら、足を広げてごらん」
早紀は夢の中、その命令、指示に従い、身を委ねる。
信頼できる相手から、指示を与えられ、何も考えず、ただ従う。
すると、お褒めの言葉がいただける。
さらにその言葉を求めて従順になる。
これまでに知らない快感だった。
本当の私....
私は誰かに支配されたがっている。
しかし、本当の自分でいられる状況は、きっと心から信頼できるパートナーを必要とする。
どのみち、そんな状況など、きっと実現することはない....
図らずも自分の中のもうひとりの自分に気づいた早紀であったが、その、もうひとりの自分を封印して生きることにした。

