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郁美の真実 parallel story
第31章 〜回想、早紀、小学5年生〜
冬休みが終わると、早紀のクラスにMの姿がなかった。

突然ではあるが、父親の海外赴任に伴い、急遽冬休み期間中に転校したのだった。

早紀は新学期に向けて、それなりの覚悟で登校したのだったが、大きく肩すかしをされた気分だった。

しばらくすると、早紀の心に虚無感が漂った。

これから....

これからアイツを見返してやろうと思っていたのに....

勝ち逃げされた気分だった。

しばらく生活に虚しさを感じていた早紀であったが、そのことは他人に悟れせることはなかった。

ただ、毅然と毎日を過ごす。

それでも夜になると、夢の中にあの「優しい誰か」が現れ、早紀は夢の中で身を委ねた。

Mというプレッシャーを生み出す存在がなくなり、その存在に代わって、その「優しい誰か」の存在は大きくなった。

早紀は日中も、ふと、「優しい誰か」に身を委ねる自分を思い浮かべることが多くなる。

その妄想にふけるとき、早紀は秘部を愛液で濡らした。

早紀のいる学校は、お上品な学校とはいえ、中にはマセた女の子がいたりもする。

そんな同級生から、おふざけで、性的な知識がもたらされることもあった。

早紀は、人知れず、自らの秘部に指を伸ばし、性的な刺激を求めるようになった。

早紀は上品な女の子ではあったが、世の中にある事柄を、経験もしないで毛嫌いするという考えはなかった。

まだ幼い早紀ではあったが、自慰行為の存在は否定しないし、それをしてしまうことに抵抗はなかった。

なにより、Mと関わったことで、凝り固まった狭い了見では、勝てない相手がいることを知った。

早紀は、常識とか、良識といったものに縛られない自由な行動を肯定するようになっていた。

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