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郁美の真実 parallel story
第33章 わずかな光
「わかった!」

「えっ....?」

「おねえちゃん、あっちで飛び込みしよ!」

「えっ?」

「いいからいいから!」

そう言うと男の子は釣り道具をそのままに、早紀の手を引いて歩いた。

「ここ!」

「?」

「ここなら飛び込んでも砂地やけ、痛くないバイ!」

そう言うと男の子は手早く素っ裸になり、堤防からバック転して海面に飛び込んだ。

「わあっ....!」

早紀は、その思い切りの良さに驚嘆した。

まもなくすると、海面から男の子が顔を出した。

「おねえちゃんも飛び込み!」

「えっ?!だって水着とかないし....」

「素っ裸でいいやん!誰もおらんけん怒られんバイ!」

「....」

「....よーし」

そう言うと早紀はワンピースを脱ぎ捨てて全裸になり、海面に飛び込んだ。

「うわぁ!」

男の子の近くに飛び込んだので、しぶきが彼の顔を襲った。

早紀は海面に顔を出すと、男の子がゲンナリといった表情をしていた。

その表情がおかしくて、早紀は笑った。

「あはははは!」

「おねえちゃんあぶねえやん!」

「ごめんごめん!」

「でも、飛び込みって面白いのね!」

「そうやろ?」

「あっちのハシゴから登れるバイ」

単純な遊びだったが、早紀は時間を忘れて男の子と遊んだ。

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