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郁美の真実 parallel story
第34章 殺すリスト再編
早紀から過去について告白された私は複雑だった。

まずは、早紀の父親はやはり許すことはできない。

さらにその周辺に群がった色ボケのジジイどもも抹殺する必要があるだろう。

それだけならまだスッキリしたのだが。


早紀は辛い過去を告白してはくれたが、私の妻の郁美も同様に被害に遭っていたことについては話さなかった。

そして、おそらく早紀の父親は早紀から郁美に標的を変え、早紀はそれ以後の被害を回避することができたのではないかという疑念は残っている。

例えば、それが事実であったとしても、早紀がそのことを打ち明けてくれていたのなら....

以前Uが私に言った。

「12、3歳の女の子が、苦しさから逃れるために他人を身代わりにしたとしても、責めるのは酷ではないか」と

私は、そんなことは許されないと思っていたが、実際に早紀が経験した苦痛を考えると、Uが言った言葉が本当だろう。

ただ、早紀はそこまでは言ってはくれなかった。

もう少しすれば、打ち明けてくれるのかもしれない。

しばらく早紀との関係を続けてみることにする。

いや、正直言って、もはや早紀と関係を断つということは苦しいかもしれない。

このとき、私は、早紀が私に向けている愛情の深さを見誤っていた。

早紀は私が思う以上に私を深く愛していた。

そのことを知るのは、まだ先のことだった。
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