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郁美の真実 parallel story
第36章 Minerva
翌日、私の身辺を探る相手について観察を始めた。

家を出るときは、特に変わった様子はない。

いつもの通勤電車の列に並ぶ。

私が並んだ隣の車両の列に、例の男が並んでいるのは確認できた。

とりあえず列車の席に座り、考えてみる。

男は、先日の私の行動を見て、尾行がバレたとは思っていないのだろうか?

私が不審に思っていないと考えているのなら、ちょっと仕事が雑過ぎる。

あえて私の注意を引いているのでは?

考えすぎか....

とりあえず、男以外のことに神経を張り巡らせてみることにした。

とは言っても、いつもの通勤列車の車内に特に変わった事はない。

乗っているメンバーもいつも通りだ。

ん〜 メガネのオヤジさんが新しい眼鏡に変わっているのには気づいた。

あとは、どうやらハンドボール部に入っているらしいショートカットの高校生の女の子が、今日はなぜか席に座っていないことぐらいか。

女の子は私の斜め向かいのドアにもたれて、参考書を開きながらスマホの画面を見ている。

最近のテスト勉強はこんな感じに変わっているのだろうか。

しかし、せっかくだから座って勉強したらいいだろうに。

....ところで、こんな時期に何のテスト勉強だろう?

まあ、学校のテストとも限らないか。

そんなふうに、どうでもいいことに神経を使っていると、乗り換えの駅に着いてしまった。

後ろを少し気にしながら歩いてみるが、例の男の姿はない。

そもそも私の勘違いかとも思えてきた。

余計なことに神経を使ったせいか、コンビニに寄ろうとしていたのを忘れた。

ふと、早足を止めて引き返すと、私の後ろを歩いたのか、パーカーのフードを深々とかぶった女の子が「ビクっ」とした挙動をしたのが目に入った。

ああ、急に引き返してびっくりさせてしまった....

そう思いながら女の子とすれ違い、5メートルほど進んだところで、この女の子の左ほほにホクロがあったのが脳裏をよぎった。

あれ?あの子....電車で一緒になる女の子だな....

学校は?

ヘンだぞ?

私は考えがまとまる前に、また引き返して、女の子の後を追うと、声をかけた。

「あのさ、ちょっとごめん!今日は学校行かなくていいの?」

彼女はビクッとして立ち止まり、下を向いてしまった。

彼女の反応を見るに、どうやら私を尾行していたようだ。
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