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君の光になる。
第6章 君の光に
「立花さん……」

「ハイ……」

 ――きゃっ……。

 前髪がフワリと上がる。額に安倍の柔らかい唇が落ちた。首をすくめ、安倍の唇を待つように見上げる。唇が柔らかい安倍の唇に包まれ、唇の先が啄まれる。身体中に鳥肌が立ったのではないかと思うくらいにゾクリと震えた。身体の奥から何かが溢れ出すのが分かる。全身の神経が剥き出しになったようだった。

「幸せです。安倍さん……。私……」
 チュ……。目蓋に安倍の唇を感じた。その後に、すぐにそれは夕子の唇を啄む。口腔に潜り込んだネットリとしたものが夕子の舌に絡みついた。夕子もそれに答える。身体から力が抜けた。

「ああ……」
 ベッドの固いクッションが揺れた。カサカサという布と布が擦れる音が聞こえる。胸の膨らみがフワリと包み込まれる。こそばゆさがそこに広がった。いつだったか、湯船の中で触れた自分の手のひらの感触には無かった感じが胸に広がる。

「いやんっ……」

 ――変な声がでちゃった。

 ショーツに染み込んだ水がゆっくりと広がるのが分かる。腰をよじった。生理の血液が広がるようで……。

「安倍さんの身体も……」
 安倍の顔を手のひらで確かめる。少し前まで重なっていたその唇は粘りがまとわりついている。夕子は指先で自分の唇をなぞる。

 ――ネットリとした安倍さんの唾液……。

 夕子のその手は筋肉質の安倍の腕から胸へと滑り、やがて太腿の付け根へと滑り降りる。手のひらでそこを撫でた。

 ――きゃっ。これは安倍さんの……。

 固い肉の塊を手のひらに感じた。熱かった。驚いてそこから手を放しそうになる。

 安倍の手のひらが覆い被さる。

「ああ……立花さん……とても気持ちいいです」
 その手は安倍の形に沿ってスライドし始めた。カサカサと衣擦れの音が聞こえる。安倍の低い声の中に何かに耐えるように更に低いため息が混じる。手のひらの中で安倍の肉塊が更に大きさを増すように感じた。
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