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片想い
第1章 片想い
「あー、おいしかった」
デザートのパンナコッタを食べ終わると、満足そうな顔をして彩夏が言った。
「食べ過ぎちゃったわ」
「ほんとにたくさん食べたよな。ブタになるぞ」
「いいのよ、今は。二人分、食べてるんだから」
「相変わらず都合のいいこと言うなあ。でも、まあ、仕方ないか」
彩夏は、嬉しそうに紅茶を啜った。そんな彩夏を見ていると、こっちも嬉しくなるから不思議だ。
「ねえ、真司さん。次の妊婦検診、一緒に行かない? 腹部エコーになるから、よろしければ旦那さんも一緒にどうぞ、って先生が言ってたの」
「腹部エコー? それってなに?」
「超音波でお腹の中の赤ちゃんを診るの。元気に育ってるかって」
「ふーん、面白そうだね」
「じゃあ、行く?」
おねだりする目になっている。僕に行って欲しいに違いない。
「どうしよかな……」
意地悪して、わざとためらってみせた。コーヒーを一口飲んで考えるふりをする。すると彩夏は、身を乗り出すようにして顔を近づけてきた。
「先生、すごい美人だから。先生に会うだけでも行く価値あるわよ」
目を細めて、僕の顔を伺うように言った。
「じゃあ、行こう」
僕が、俄然乗り気になったという感じで応えると、
「もう真司さんたら」
彩夏はあきれたように言ったが、顔はニコニコと嬉しそうだった。おいしそうに紅茶を啜った。
デザートのパンナコッタを食べ終わると、満足そうな顔をして彩夏が言った。
「食べ過ぎちゃったわ」
「ほんとにたくさん食べたよな。ブタになるぞ」
「いいのよ、今は。二人分、食べてるんだから」
「相変わらず都合のいいこと言うなあ。でも、まあ、仕方ないか」
彩夏は、嬉しそうに紅茶を啜った。そんな彩夏を見ていると、こっちも嬉しくなるから不思議だ。
「ねえ、真司さん。次の妊婦検診、一緒に行かない? 腹部エコーになるから、よろしければ旦那さんも一緒にどうぞ、って先生が言ってたの」
「腹部エコー? それってなに?」
「超音波でお腹の中の赤ちゃんを診るの。元気に育ってるかって」
「ふーん、面白そうだね」
「じゃあ、行く?」
おねだりする目になっている。僕に行って欲しいに違いない。
「どうしよかな……」
意地悪して、わざとためらってみせた。コーヒーを一口飲んで考えるふりをする。すると彩夏は、身を乗り出すようにして顔を近づけてきた。
「先生、すごい美人だから。先生に会うだけでも行く価値あるわよ」
目を細めて、僕の顔を伺うように言った。
「じゃあ、行こう」
僕が、俄然乗り気になったという感じで応えると、
「もう真司さんたら」
彩夏はあきれたように言ったが、顔はニコニコと嬉しそうだった。おいしそうに紅茶を啜った。