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片想い
第1章 片想い
それが一段落したところで、「真ちゃんに相談したいことがあるんだけど……」と涼子さんが言った。
ドキッ。心臓が高鳴った。あの時の記憶が蘇る。
「何ですか?」
僕は、声が上ずりそうになるのを必死に抑えて、涼子さんに聞いた。
「実は精子ドナーを探しているの」
「精子ドナー?」
「そう。人工授精を行うときの精子の提供者のことよ。ある夫婦が求めている特徴に真ちゃんがぴったり合うの。お願い、受けてもらえないかしら」
涼子さんが拝むように僕を見つめてきた。
僕がどうすればいいか考えていると、涼子さんは両手で僕の手を握りしめてきた。
「こんなこと真ちゃんにしか頼めないから。お願いします」
あの時と同じだ。こんなふうに涼子さんに頼まれたら、僕は断ることはできない……。
「わかりました。どうすればいいんですか」
僕はそう答えていた。
「真ちゃん、ありがとう」
涼子さんは本当に嬉しそうに喜んでくれた。
「その夫婦は、自然受精を希望しているの。だから真ちゃんは、その人とセックスしてくれればいいのよ」
「セックス!?」
僕は驚いた。
「涼子さん、いくらなんでも……」
そんなことはできない。そう言おうとしたが、涼子さんは、僕が最後まで言わないうちに、ちょっと待ってて、と言って部屋を出て行ってしまった。
ドキッ。心臓が高鳴った。あの時の記憶が蘇る。
「何ですか?」
僕は、声が上ずりそうになるのを必死に抑えて、涼子さんに聞いた。
「実は精子ドナーを探しているの」
「精子ドナー?」
「そう。人工授精を行うときの精子の提供者のことよ。ある夫婦が求めている特徴に真ちゃんがぴったり合うの。お願い、受けてもらえないかしら」
涼子さんが拝むように僕を見つめてきた。
僕がどうすればいいか考えていると、涼子さんは両手で僕の手を握りしめてきた。
「こんなこと真ちゃんにしか頼めないから。お願いします」
あの時と同じだ。こんなふうに涼子さんに頼まれたら、僕は断ることはできない……。
「わかりました。どうすればいいんですか」
僕はそう答えていた。
「真ちゃん、ありがとう」
涼子さんは本当に嬉しそうに喜んでくれた。
「その夫婦は、自然受精を希望しているの。だから真ちゃんは、その人とセックスしてくれればいいのよ」
「セックス!?」
僕は驚いた。
「涼子さん、いくらなんでも……」
そんなことはできない。そう言おうとしたが、涼子さんは、僕が最後まで言わないうちに、ちょっと待ってて、と言って部屋を出て行ってしまった。