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片想い
第1章 片想い
今が涼子さんのベストのタイミングということで、早速、自然受精、つまり涼子さんとのセックスを行うことになった。

僕は部屋にあるシャワーを浴びた。

どうしてこんなことになってしまったのか……。僕は悔やんだが、一方で憧れの涼子さんを抱けるということに興奮も覚えていた。再びあの時の記憶が蘇る。涼子さんの白い肌、艶やかな花びら、甘美な喘ぎ声……。股間が熱くなるのを感じた。

僕がバスローブを身に着けて、バスルームから出ると、替わって涼子さんが入った。涼子さんがシャワーを浴びている音が聞こえてくる。僕は、健一さんと二人で涼子さんが出てくるのを待った。

健一さんは、頭に少し白髪が混じっている、上品で優しそうな感じの人だった。

「飯島さん、引き受けてくれて、ありがとうございます」

「とんでもありません。役に立てるのであれば嬉しいです。涼子さんは、僕の初恋の人ですから」

「初恋?」

「はい、中学生のとき、僕は涼子さんに密かに憧れていました。結局、片想いで、何も言えずに終わりましたけどね」

「そうですか……」

「健一さんは、どこで涼子さんと知り合われたんですか?」

「実は涼子は、私の教え子なんです。私は、大学で生理学の教授をしてまして……。歳もひと回り以上違います」

「そうだったんですか。結婚して何年になるんですか?」

「5年です。お恥ずかしい話ですよ。自分が無精子症とは知らなかったんですから……。知ってたら涼子とは結婚しなかったでしょう。前から子どもが欲しいと言ってましたから」

健一さんは、悲しそうな微笑みを浮かべた。
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