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片想い
第1章 片想い
それは、僕が中学2年へ学年が上がる春休みのときだった。相談したいことがある、と言われて僕は涼子さんの家へ行った。
「真ちゃん、上がって」
涼子さんに案内され、僕は小学生のとき以来、久ぶりに涼子さんの部屋に入った。相変わらずさっぱりしている。ぬいぐるみのような小物は、ほとんど置かれてない。そのかわり本棚には、僕にはわからない難しい本がズラリと並んでいた。
涼子さんは、僕に机の前にある椅子を勧め、自分はベッドに腰掛けた。ミニスカートからのぞく白い太腿が、当時の僕にはとても眩しかった。
「私ね、4月から東京の高校に通うの」
「知ってるよ。おばさんが言ってた」
「そう」
会話が途切れた。涼子さんは、次の言葉を言おうか言うまいか迷っているように、下を向き、足をぶらぶらさせていた。こんな涼子さんを見るのは珍しい。いつもなら単刀直入に用件を言うはずだ。相談したいことって、余程、重大なことなのだろう。それは何なのだろうか……。僕は、涼子さんが口を開くのを待った。
しかし、いつまで経っても涼子さんは、話を始めようとしない。仕方ないので、僕のほうから切り出すことにした。
「涼子さん、相談ってなに?」
「うん……」
涼子さんは、小さく返事をすると、ゆっくりと顔を上げた。上目遣いに僕の顔をじっと見る。そして、ほんのり頬を赤らめながら、「真ちゃん、シャセイってしたことある?」と聞いてきた。
「シャセイ? 絵を描くこと?」
涼子さんは頭を振った。
「そうじゃなくて、射精。男の子が精子を出すこと」
僕は、びっくりして涼子さんの顔を見た。
「真ちゃん、上がって」
涼子さんに案内され、僕は小学生のとき以来、久ぶりに涼子さんの部屋に入った。相変わらずさっぱりしている。ぬいぐるみのような小物は、ほとんど置かれてない。そのかわり本棚には、僕にはわからない難しい本がズラリと並んでいた。
涼子さんは、僕に机の前にある椅子を勧め、自分はベッドに腰掛けた。ミニスカートからのぞく白い太腿が、当時の僕にはとても眩しかった。
「私ね、4月から東京の高校に通うの」
「知ってるよ。おばさんが言ってた」
「そう」
会話が途切れた。涼子さんは、次の言葉を言おうか言うまいか迷っているように、下を向き、足をぶらぶらさせていた。こんな涼子さんを見るのは珍しい。いつもなら単刀直入に用件を言うはずだ。相談したいことって、余程、重大なことなのだろう。それは何なのだろうか……。僕は、涼子さんが口を開くのを待った。
しかし、いつまで経っても涼子さんは、話を始めようとしない。仕方ないので、僕のほうから切り出すことにした。
「涼子さん、相談ってなに?」
「うん……」
涼子さんは、小さく返事をすると、ゆっくりと顔を上げた。上目遣いに僕の顔をじっと見る。そして、ほんのり頬を赤らめながら、「真ちゃん、シャセイってしたことある?」と聞いてきた。
「シャセイ? 絵を描くこと?」
涼子さんは頭を振った。
「そうじゃなくて、射精。男の子が精子を出すこと」
僕は、びっくりして涼子さんの顔を見た。