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君に熱視線゚
第7章 スポーツ大会
「やった」
「すごーい!!結城先輩に勝ったぁ!!」
そぅ‥2年に勝ったのではなく伝説のプレイヤーに勝てた! 1年生達の喜びはそっちの方が大きかった
試合を観戦していた1年の女子達が夏目を取り囲む‥夏目はヒーロー扱いされていた。
「兄さん!!‥ねえ兄さん!?」
そして、思いつめた表情で汗を拭く晴樹の肩を苗は呼びかけながら叩いた。
「なんだ?
負けたからノートはないぞ…」
心なしか冷たい表情の晴樹に苗はキョトンとする
「でも、バスケは勝ったんでしょ?
次の午後の試合も何か出るの?」
「さわるなっ」
「…っ!──痛っ…」
ワクワクしながら聞いてくる苗に苛立ちが募る
晴樹は肩に乗っていた苗の手を払い、険しい表情を向けた。
「俺に頼るなっ──
‥‥次の試合は出ないからっ!」
晴樹はそれだけ言うと踵を返し校舎に戻って行く‥
苗はそんな晴樹の後ろ姿を見送った。
‥なんだ‥負けたのがそんなにショックだったのか?じゃあ、アレを見せたら元気になるかなっ?
兄さんにはもう少し頑張ってもらわなきゃだし!
機嫌の悪い晴樹をさほど気にもとめず、苗は次の昼食のお弁当を取りに教室へ戻っていった