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君に熱視線゚
第53章 恋の修羅場ラバンバ!
「晴樹さん、見てください。他のツアーの評価が出ましたよ」
直哉はパソコンを開いて晴樹に呼び掛けた。
晴樹はパソコンに集められた各ツアーでのデーターに目を通す。
「合戦ツアー、評価高いな」
「ええ。参加した生徒達も楽しんでたようですけど、先生達もイキイキしてたみたいですよ」
「水遊びでか?安いもんだな……」
晴樹は顎に手をやりながらパソコン画面を見つめる。
東軍西軍に分かれて水鉄砲で旗を打ち合う。
水遊びはいい年をしても無邪気にはしゃげるらしい。送られてきた合戦の動画からはまるで子供のような賑やかな笑い声が響いていた。
他の謎解きツアーも評判は上々のようだ。
参加した生徒の楽しむ様子を動画で確認すると、晴樹は一先ず安堵のため息を吐いていた。
これが上手く行けば村の観光活性化は成功する筈だ。
後は如何に飽きさせないようにするか──
それを追求し続けるのみ。
景気が上向けば赤字まみれのホテルも立て直しが出来る。
晴樹は手にしたもも缶を軽く上に投げてはキャッチする。
「明日はツアーに参加してみるかな」
「そうですね。実際にお客の目線で見た方が改善点も気付けると思いますから…」
「だよな。よし、じゃあ今日はもう終わり!ちょっと行ってくる」
同意を返す直哉に頷くと、もも缶を手にしたまま晴樹はそこから腰を上げた。