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君に熱視線゚
第9章 嫉妬
──バンッ!

室内の扉が弾かれる様に開いた。


「……どうした晴樹…いくら身内でも理事長室に入る時はノックくらいちゃんとするもんだぞ…」


来客用のソファに乱暴に腰掛ける晴樹に老紳士は呆れながら話し掛けた。


「……お爺…やっぱ無理だ。俺、ここの理事長なんかなれねえっ」


晴樹はぶっきらぼうに言った。


「フッ…険しい顔して何を言い出すかと思えば…お前がわしの跡を継ぐのはまだ先の話しだろう? なんだかんだ言って今回も二ノ宮の生徒と親睦会や学校行事だって、周りの生徒を引っ張っていろいろやってくれたらしいじゃないか? 何があったんだいったい?」


お爺こと結城学園理事長。結城 茂樹は晴樹に自分の跡を継がせるためにいろいろと模索をしていた。



「俺、やっぱり短気だから理事長なんて向かない…」

「だからなんだ?」

晴樹の答えにお爺は平然として言う

「だからなんだ…って言われてもっ…」


深いため息をついて黙りこんだ晴樹にお爺は言い聞かせる

「晴樹…お前が短気なのは血筋だ。お前が短気ならお前の父親の智晴(ともはる)も短気だ…そして、もちろんその親のわしもな……」

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