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君に熱視線゚
第12章 死神降臨



―キィ―!ブルン──ッ!



‥あら!帰ってきたのかしら‥‥



オカンが風呂上がりに居間でくつろいでいると玄関先でバイクの止まる音がした。


――ガンッ!ガラガラッ―

立て付けの悪い玄関に一度蹴りをして開けると苗は敬礼した。

目の前には豊作じいちゃんが杖を持って立っている。

「二等兵、苗!!恥ずかしながら、ただいま帰還いたしました!! 」

「うむ!」

玄関先で豊作爺ちゃんが迎えてくれた時は必ずする挨拶だった‥


そして、夏目も額に手をかざし、苗と同じポーズをとる…


豊作爺ちゃんは無言のまま夏目に視線を流した‥


「‥ぅ‥ぁ、えっと‥



夏目大介!ただいま、田中家の一人娘サンをお送り致しました!!‥‥‥でいぃのかな」


困惑する夏目に豊作は、
うむっ‥とだけ頷くと自分達の部屋に帰っていった‥


そして、身重のオカンが顔を出す。

「おかえりぃ!
映画はどうだった?」


「ちょ最高だったょ」


「そぅ!よかったわねぇ、夏目クンもありがと!!
疲れたでしょ?ちょっとよっていく!?」

気さくに誘ってくれるオカンの言葉を夏目はやんわり断った。


「有り難うございます!
もぅ遅いから俺は帰ります。すいません、こんな遅くまで苗サンを連れまわって」


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