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君に熱視線゚
第12章 死神降臨
オカンの言葉に疑問系の表情のままの苗を車に押し込むと晴樹はオカンに会釈して車を発進させた‥
苗は無言のまま助手席に座っている。
風呂上がりのシンプルな石鹸の香りが車のエアコンの風に乗って晴樹の鼻孔をくすぐっていた‥
晴樹は隣の苗を足元から眺めた‥
「苗‥」
晴樹の語りかけに苗は、
ん?‥とだけ返事してこっちを見る。
「お前‥
裸の大将みたいだな…」
「っ‥」
晴樹の言葉に苗は静かに怒(イカ)った
膝下丈のカーキ色のショートパンツに上はダボついたタンクトップ‥足元はビーサン・・・
確かに裸の大将っぽかった
そして、そっと怒(いか)れる苗の二の腕を掴み再びセクハラを繰り返す
「どうして、こんなとこから前足が‥‥‥」
「……‥
兄さんの言い忘れたことってのはそれかね?」
「いゃ‥別に」
苗は少し機嫌が悪くなっていた‥
そぅ、晴樹は知らない‥苗が案外ぽっちゃりを気にしていることを‥
それこそ、今日そのことを気にして拗ねた苗を夏目が一生懸命なだめたことを晴樹は知らなかった──