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君に熱視線゚
第18章 大切な人[前編]
「──…っ!」
苗の手が一瞬ビクっとなった──
「‥ゴメン
嫌ならやめる‥‥//」
夏目はそう言いながらも、苗の柔らかい手を握った自分の手にぎゅっと力を込めていた。
「だいじょびだょ!
嫌じゃない…けど…」
「ないけど?」
「ちょっち暑いね」
「‥//」
そう、夏場に手を繋ぐのは結構、暑い‥
二人の手の平はどんどん汗ばんできていた。
「あれ、‥
“妹ちゃん”じゃん?
彼氏いたんだ?」
学校の校門に向かう苗達を見かけ、取り巻きのお嬢が言う
晴樹は昨日交したお嬢との約束のために今日はデートをしなければならなかった‥
そして、お嬢の指差す方に目を向ける‥
‥夏目?‥‥‥
少し視力の悪い晴樹は目を細めて苗の隣の男を確認した‥
「アイツは別に彼氏じゃねぇよ‥‥」
晴樹は何となく不機嫌な表情を浮かべた。
「?‥‥
そうなの?
なんだ、
手を繋いでるから彼氏だと思った‥」
「──ッ…」
‥なに…手!?
お嬢の言葉に一瞬、心臓が跳ね上がり息を詰まらせる
晴樹はもう一度、目を凝らして校門を出て行く二人を見つめた