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君に熱視線゚
第18章 大切な人[前編]

お嬢はそう言いながらベッドに潜り込み、背中を向けている晴樹にぴたりと密着して後ろから晴樹の顔を覗き込むと、キスをせがんだ‥



お嬢から絡めてくるキスの感触に晴樹は苗の唇を思い出す‥‥‥


苗とホテルでかわしたキスの感触を‥‥


賭けをして、苗は必死になって俺にキスをした‥


小さなアメを二人で奪い合う賭けを‥‥‥


たどたどしい舌の動きに俺はすごく夢中になった‥



すごく可愛いキスだった‥


苗はこんなに上手いキスはしてこない──



晴樹はお嬢と舌を絡めながらも心は冷めていた‥




「やっぱり帰る‥‥」



晴樹はお嬢をグイッと押し退けるとベッドから出て服を着始めた‥


何故か自然と手の甲で口を拭う仕草を繰り返す‥





‥やっぱり苗とじゃないと──




気持ちが苗に向かってる今、どんな女を相手にしても燃えない‥‥‥



苗とのキスを知った以上‥





苗、以外の女じゃ埋められない──




苗じゃないと──…っ…






―バタン!



「ちょっと、晴樹!?

待ってよぉ!」



晴樹はさっさと着替えを済ませると、お嬢を置いてホテルを出ていってしまった‥


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