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君に熱視線゚
第19章 大切な人[中編]
「あれ、夏目?」
直哉が理事長室に入ると夏目の姿が目に入った‥
苗の拐われた状況を聞く為に夏目もたった今、理事長室に呼ばれた所だったのだ
教員室では、理事長の指示で数人の教師が待機したままでいる‥‥‥
理事長いわく──
事が事だけにやたらに動けん‥‥相手がヤクザで身代金目的じゃなければ慎重に対応せねばならん‥‥‥
理事長は身重のオカンのことも考え、田中家にはまだ、連絡を入れていなかった。
母親に言うよりは父親に直接伝えた方がいいだろぅ‥
お爺なりの配慮であった‥
「なんで‥
なんで、苗があんな奴らに拐われなきゃなんないんだ!?‥‥‥クソッ!」
夏目が悲壮な表情で呟く‥
「あんな奴らってお前拐われた時一緒にいたのか?」
「一緒に帰る途中だったんだ‥‥」
「一緒に!?なんで一緒に」
夏目の言った言葉に直哉とお爺が驚く
「守ってやれなかった‥
彼女なのに!!
俺の彼女なのに!!
守ってやれなかった──!」
そう叫んだ途端、夏目の
瞳から悔し涙が溢れた。
脳裏にはぐったりとなった苗の姿が思い浮かぶ‥