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君に熱視線゚
第19章 大切な人[中編]
晴樹は自分の胸ぐらを掴みボロボロと顔を泣き崩す夏目に息を飲んだ──
「苗を‥フッ‥ク‥
苗をッ返せ!!!
俺の彼女だぞッ‥ヒッ‥
ヒッ‥ク‥グッ‥
大事な‥ゥ‥クッ
大事なッ‥俺の彼女なんだぞ!!」
ソファに晴樹を押し倒し叫びながら訴える夏目に晴樹も胸が締め付けられた
「──な…っ…んなことっ
わざわざ言わなくてもわかってるっ!!!」
‥なんだよコイツッ!?
わざわざここまで来て言いたいのはそれかよ!?
…っ…何処まで人をコケにすればっ…
晴樹は掴み掛ってくる夏目を睨み返しながら叫んだ
「俺に何が言いたいんだよ!!?
彼女なら二人でよろしくやってりゃいいだろうが!!?今更、わけ解んねぇいちゃもんつけてっ‥」
「拐われたんだよッ──!」
「───…っ!?…」
自分の怒りを遮るように、夏目の口から発せられた言葉に晴樹は思考が止まった──
「銃を持ってる奴らに‥
──…っ…苗が拐われちまったんだよッ!!」
「‥‥‥‥」
叫ぶと同時に夏目はその場に崩れた──
「拐われ‥た‥?」