この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
君に熱視線゚
第20章 大切な人[後編]
「わかった、
じゃあ行くぞ‥」
貴志に肩を叩かれ晴樹も覚悟を決めた──
そして、床にへたり込んだままの夏目を振り返る。
「夏目!!お前はもう帰れ!
ここに居てもなんにもなんねぇから!!」
「──?!
どこ行くんだよ!?
わかったのか!?苗の居場所が!!?」
自分に掴みかかりすがりつくような表情の夏目に胸が痛む──
「連‥れて‥‥
帰ってくるから‥
絶対にっ──‥」
晴樹は夏目の目を見てこの言葉を言えなかった──
―バタン!!
晴樹は貴志の車に乗り込み鬼頭組の本部へと急ぐ
‥‥‥
‥‥‥‥‥
‥‥‥っ‥苗っ──!
晴樹は携帯を握りしめたまま歯を食い縛った──
『あんたなんで携帯の電源切ってんだよ!!?』
夏目に罵倒された言葉が脳裏をかすめた──
‥もっと‥‥
もっと早くっ‥
連絡さえ取れていれば状況は変わったかもしれないっ
ただ──
今更、後悔してもッ‥
「晴樹!!
ついたぜ!」
貴志の言葉に促され晴樹は車を降りた──