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君に熱視線゚
第20章 大切な人[後編]
貴志からの連絡を受け鬼頭組本部は少々賑やかになっていた──
「なんか妙なことに巻き込んでしまったようだな‥」
「‥‥」
鬼頭組──組長
総代の辰治が二人を玄関で迎えてくれていた。
晴樹は静かに頭を下げ奥の部屋へと通される‥
「向こうの御大(おんたい)サンとは連絡取れたのか?」
「あぁ、さっき取ったばっかりだ──…直ぐに支部を見て回ってくれるそうだが‥」
晴樹に背を向け貴志と辰治は何やら話し込む
「晴樹!! 準備するからちょっと待ってろ」
貴志は居間のソファに晴樹を腰掛けさせ奥の部屋へと向かった
‥やべぇな‥‥
大丈夫かよアイツ?
“なえ”ってのはどんな関係の女なんだ?
‥‥“なえ”か――
なんか聞いたことある気が‥‥‥
…?!“なえ”──
『すいません、苗サンをお願いします』
‥もしかしてあの時の‥?
じゃあ、本命か!?
貴志は清掃集会の時、度々電話を掛けては機嫌が悪くなる晴樹の電話の相手の名を思い出していた