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君に熱視線゚
第20章 大切な人[後編]


切ない想いで胸が張り裂ける──



息苦しさと胸の痛みに晴樹は一気に顔を歪めた。



画像の中のアイツはこんなにも近く、傍にいるのにっ‥





今はッ‥






アイツは俺の傍にはいないッ!!






もちろんさっきから携帯に連絡を入れても出ない


出れる状況じゃないのもわかってるッ‥

もしかしたら二度と出ないかもしれないッ‥



二度と‥



声さえもッ‥‥‥






でも、もしかしたら‥‥





晴樹は絶望を感じながらも一縷(いちる)の望みに想いを託す──




「よし、晴樹、行くぞ‥」


準備を終えた貴志と数人の組員達に促され、晴樹は重い腰を上げ車に乗り込んだ──



車は、最初の電話で取引き場所に指定されていた組員の支部に向かっていた。





そこにいなければ‥‥‥


もう苗は何処にもいない‥



役に立たなきゃゴミ同然‥‥‥


ヤツラは人の命なんてなんとも思っちゃいない‥

思ってたら‥極道なんてやってられないから‥‥‥


隣にいる貴志だってそうだ。
もし、上からの命令が下ればコイツだって俺を殺ることを拒まないだろう…


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