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君に熱視線゚
第20章 大切な人[後編]

『極道がいちいち人に情けなんかかけてりゃ、自分の命が幾つあっても足んねぇって!! ハハ…』




こいつは笑いながらサラッと言って退ける──


ただ、コイツは根っからの極道一家に生まれたヤツ‥
家を出た親父サンから離れ結局、自らこの道に戻って来たくらい奇特なヤツだ‥



命なんて、とうの昔に捨てたって言い切るぐらい、いつでも覚悟が出来ている──











でも、アイツはッ‥




苗はッ‥




普通の高校生でッ




貧乏でッ




家族思いでっ‥




初めての彼氏ができたばっかりの‥‥‥普通の‥







俺のッ‥













俺の大好きな‥女の子ッ‥だったのにッ‥




俺が巻きこんだ!!




俺と知り合わなきゃッ‥





こんなことにはッ‥













そして‥

俺もお前と知り合わなかったら‥‥






こんな思いもっ‥

──…クソッ!







自分の気持ちのやり場に戸惑い強く噛み締めた唇からは少し血の味がしてくる‥


そして、晴樹は最後の苗からのメール二通目にカーソルを合わせた──

メールを開封した途端に晴樹の口から嗚咽が漏れる。

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