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君に熱視線゚
第20章 大切な人[後編]

「‥フッ‥‥ッ‥」


クッ‥なえッ──!





逢いたいッ‥!!



逢って‥っ抱きしめて‥








俺だって傍に居たかった!!








でも、お前が夏目を選んだんだろッ‥






お前がッ‥俺よりも夏目をッ──









‥晴樹、

悪かったな‥俺のせいだ…


開いたままの携帯を握り締め、片手で顔半分を覆いながら肩を震わせ嗚咽する晴樹に貴志は心で詫びた──



こんな時に下手に言葉はかけない方がいい‥


貴志はそう思っていた‥





瞼を覆い隠した晴樹の手の下からは幾つもの涙の雫が伝い落ちる──





“兄さん‥

苗の傍にいて…

苗は兄さんいないとダメだょ…


後でまた、電話するから今度はちゃんと出てね。”




苗が今日の放課後に部活の夏目を待ちながら教室で晴樹宛に打った最後のメールだった──






苗ッ──…


電話はどうしたッ?‥


後でかけるんだろッ‥




今度はッ‥






今度はちゃんと出てやるからッ‥




頼むから‥‥‥









今度はちゃんと待ってるから‥っ‥‥


電源だってもう切らない──…

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