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君に熱視線゚
第20章 大切な人[後編]
声が聞きたくて‥
いつも繋がっていたい‥
そう思って苗に渡した携帯だったのに‥
今はどんなに、こっちからかけても苗は携帯に出てはくれなかった──
「晴樹‥ついたぜ
ココがヤツラのシマだ‥
龍極会系 藤代組
(リュウゴク フジシロ)
幹部の青木の事務所だ。
──…無理すんなよ晴樹? 大丈夫かよお前…俺に任してくれりゃ‥」
「あぁ、大丈夫だ‥俺が一番に迎えに行ってやらなきゃ‥」
心配そうに貴志は顔を覗き込む。晴樹は目頭を強く押さえると無理矢理に涙を止め、貴志から預かり腹に仕込んだ銃を手にして車から降りた──
‥苗‥‥
迎えに来たから‥
お前が傍に居て欲しいなら‥
俺はいくらでも傍に居てやるッ!!
お前の居ない場所は俺には耐えられないから‥
お前の居る場所に俺が行くよ…
その方がずっと一緒に居られる──
「よし、行くぞ‥」
貴志の合図に他の組員達も鋭い目つきに変わり始める──
常に命掛け‥
そんな世界でしか生きていけない不器用な男達の‥
小さな戦争が始まろうとしていた──