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君に熱視線゚
第20章 大切な人[後編]
「腕の傷は大したことねぇだろ?
行くぞ!!
迎えに行くんだろ!?」
貴志は相変わらずボゥっとして自分を見つめる晴樹を立たせ車に押し込んだ──
「じゃあ龍極会の本部に行くぞ!!」
「はぃ!」
貴志が舎弟に行き先を告げ、車は龍極会系 藤代組の本部に向かった。
「良かったな‥‥
生きてるってよ!
お前にそんな大事な女がいたなんてな‥‥‥」
貴志は車の中で黙ったままの晴樹に語りかけた──
晴樹は相変わらず一点を見つめたまま無表情で首をうなだれている…
貴志は晴樹から取り上げた銃を触りながら思った‥
‥あの銃声は‥
間違いなくコイツが引き金を引いた証拠‥‥‥
俺の銃は音がしない‥
俺の判断が少しでも遅けりゃコイツの頭は吹っ飛んでた訳だ‥
怖ぇ奴‥‥
殺られんのは覚悟してるが自分で殺んの程勇気いるっちゅーのに・・・
居なきゃ生きて行けねぇほど大切にしてたわけだ‥
貴志はそう考えながらフフっと微笑んだ‥
どんな女だ?
会うのが楽しみだな‥‥