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君に熱視線゚
第20章 大切な人[後編]
‥生きてる
晴樹は車の窓に寄りかかり貴志の言葉を頭で繰り返す‥
‥生きてる
じゃあ‥
あの血の跡は?
───っ!
ああ‥そうか‥‥‥
苗は女だから‥
片付ける前にいくらでも‥
──じゃあ‥
苗はボロボロだ‥‥
めちゃくちゃにされた‥
──っ‥苗!!
俺はもうッお前の顔が見れないかもしれないッ
晴樹の脳裏には押し倒され泣きじゃくる大切な人の顔が浮かぶ
苗の泣き顔は大好きだけど‥
そんなことで泣き叫ぶ苗の顔はッ
──俺は見れないっ!!
──ッ…苗っ
お前から笑顔が消えたら俺はどうすればいいッ──?
激しく乱暴され放心状態の苗の姿が嫌でも頭に浮かぶ
晴樹は顔を歪めきつく目を閉じた──
その頃‥
龍極会系の本部では組員達がせわしなく動き回っていた──