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君に熱視線゚
第28章 事件!
何故か楽しそうに言って退ける貴志を怪訝な顔で見ながら晴樹は苗に言った‥
「それより苗、‥もう帰るぞ──
お前、手伝いに来て転んでりゃ世話ないだろ!?
これ以上邪魔しちゃ悪いから‥」
晴樹は、足元で粉々に割れている壷らしき物を見ていた‥
‥もしかして、コレも苗が割ったのか?
「あ、それは武の兄貴がやったんすよ。
お嬢が転んだから、慌てて駆けつけてこのざまっすよ」
‥慌てて駆けつけた…?
──…っ…なんだそれ!??
晴樹は少し眉間にシワが寄り始めている‥
そしてマサは余計な一言を付け加えた──
「兄貴はなんてったってぇお嬢を助けるのが大好きッスから!
非道の修羅もお嬢には形無しってことッスよね〜♪」
「////‥っ‥コラッ──…マサっ何言いやがるっ!?」
わざと大きな声で言うマサの言葉に武は赤面しながら顔を背け、晴樹は険しい顔で廊下にいる二人を見つめている。
そして、口を開いた‥
「苗──‥
やっぱり迷惑かけるからもう帰るぞ…
俺達は一般人だからここにいたら、組の人達だってやりにくい作業もあるだろうから‥‥‥」
静かな口調で言い聴かせるように語る晴樹に苗はシブシブと頷いた。