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君に熱視線゚
第30章 田舎
悟はそう言うと苗をじっと見つめる
そして口を開いた‥
「苗は‥
なんか、可愛くなったな‥//‥」
「‥そぉ?」
「‥‥‥褒めてんだからもっと喜べよっ
ところで何、くっつけてんだ?」
「ん?…あぁコレ?
さっき拾ったんだょ!」
「‥」
苗はセミの脱け殻をバッチ代わりにTシャツに付けていた
悟は無駄に笑顔の苗を見つめた。
‥苗…
お前ってホントに変わんないな‥‥‥
「俺の分は?」
「あるょ!」
苗はポケットを探った瞬間はっ!?としていた
ポケットから引き出した苗の手にはボロボロに崩れたセミの脱け殻の残骸が――
「ごみん‥
苗のをあげる‥」
苗は悟に自分のセミバッチを付けてあげた‥
そう、いっこ年下の悟は昔から苗の真似をしたがり、苗が見つけた虫や形の変わった石ころを欲しがるくせがあった。
その為、苗はいまでもちゃんと悟の分を用意する癖がついている‥
ただ、それももう昔の話し‥
悟は苗よりもずっとずっと‥‥‥‥
いろんな意味で大人になってしまっていた
「クスッ‥
俺は要らないから苗が持っとけよ‥‥」
悟は苗にセミバッチを返してやった