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君に熱視線゚
第30章 田舎
「それより苗!
どうせ民宿の手伝いは夕方までだろ?
今日の夕飯は俺ん家で食おうぜ!!
俺からおばさんに言っとくからさ、な!」
「わかった!
利枝おばちゃんにもウチのお母ちゃんからお土産あるから持って行くょ!!」
「あぁ!
じゃぁ俺、合宿に戻るから後でな!」
悟は苗に手を振ると再び自転車に跨り剣道着を翻しながら公民館に向かった‥
◇◇◇
プァ――ッ!と列車の汽笛が響き、目的地到着を知らせる。
「‥ふぅー、やっと着いた……飛行機とJRを乗り継いで半日‥結構遠いな」
晴樹は独り呟く。
長い足を駅のホームに着け、やっとの思いで好きな娘の居る地に足をつけることが出来た晴樹は夏休み中、人で溢れる田舎町の駅でも人目を引いていた。
「‥//‥ねぇモデルかな、あの人‥」
「うん、足長っ……
すごいねオレンジのジーンズ履きこなすって‥
そんなのアリ!?って感じ」
グラサンになんてことないシンプルなシャツを羽織っているだけなのだが何を着てもカッコイイ晴樹は人の目線はものともせず、トランクを引きずり駅の外を目指す‥
そしてタクシーに乗り、取りあえず予約を入れたホテルへ向かった。