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君に熱視線゚
第32章 愛着
おばさんは晴樹を下から眺め興奮している
「‥彼氏!?
兄さんはそんなんじゃないよっ!!」
「──…!?っ」
苗の力強い否定に晴樹は胸がズキッ‥と痛んだ
‥確かに彼氏じゃない‥
そんなのわかってる――ッ
でも、何もそんな思いっきり否定しなくても…
なにかを堪えるように奥歯を噛み締める晴樹の表情にも目を向けず苗は言った
「兄さんはねっ──
苗の‥
“とっても兄さん”なんだから!!
彼氏なんて恐れ多くて頭上げられないょ!!」
「‥──?…//」
苗なりに、思いっきり晴樹を讃えた言葉だった
「そうかい‥
咲ちゃんから聞いたよ‥
世話になってんだってね」
「うん!お世話なりっぱなしだょ‥いつかお返ししなきゃ‥
義理杯は生爪剥いででも返せってゆうからさっ」
‥生爪…痛そうだな‥
晴樹は語りながら厨房の奥に入って行く二人の後をついて行く‥
“とっても兄さん”
何となく彼氏よりもランクが上だと言いたいのはわかった‥‥‥
ただ‥やっぱり“兄さん”には違いない
晴樹は複雑な面持ちのまま苗の後ろ姿を見つめた。