この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
君に熱視線゚
第32章 愛着
途中でプツっと切れた携帯を開き晴樹は着歴を見て手を止めた‥‥
‥夏‥目?
‥‥‥なんでこいつ今頃!?
晴樹の顔が不安気に曇り始める。
再び鳴り始めた携帯の受ボタンを晴樹はじっと見つめた
‥苗、頼むから電話出てっ!
夏目は苦し思いで携帯を握る手を震わせていた―――
緊張で胸がドキドキする‥
‥出た!?
呼び出し音が途切れ一瞬の沈黙が流れる‥
「あ‥‥苗?
俺、わかる?‥」
受話器の向こうから緊張で上擦る夏目の声が聞こえてきた。
『‥‥‥』
「あ、の‥
夏目、だけど‥‥‥」
返事を返してくれない苗に夏目は息苦しさを覚え始めていた
‥やっぱ、今更‥とか思われたかな‥‥っ‥
夏目は勇気を振り絞って言葉を伝えた
「苗‥
あの、‥‥俺っ‥
俺さ、苗ともうっ一回‥
やり直したっ‥」プツ――
‥えっ?
耳に当てた携帯からは不通音が繰り返す‥
‥切られた―――
マジで?‥
俺のこと、そんなに嫌になった?
胸が痛いのか喉の奥が熱いのかもう訳がわからない。
ショックが大き過ぎて涙も出なかった。
夏目は視点の定まらないまま携帯を耳から外した…