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君に熱視線゚
第33章 夏祭り
晴樹は苗のいつもと違う雰囲気に戸惑っていた
‥なんだか歩き方までぎこちなく思えてきた
普段ベラベラと喋る苗が大人しい為に沈黙が続いてしまう‥
晴樹は必死で話題を探す
そして前を見ながら難しい顔をして話題を探す晴樹を苗はじっと見つめている
‥ぁ、その顔も格好良いかもだょ‥//
「──!?…お前ッ
そんな顔で見んなよっ//」
「そんな顔?‥//」
ほんのりと頬を染める苗の視線に気づいた晴樹は咄嗟に顔を背けた。
終始その状態で二人は花火を見物している‥
‥やばいなんか変だ///
俺も苗も…いつもと違う
花火が終わってバラける人混みの中、晴樹は力を緩め苗の手をわざと放した‥
途端に苗の方からキュッと握り返してくる‥
苗‥//…
晴樹は人混みから苗をかばうように手を引いた‥
「苗、せっかくだからちょっと散歩するか‥//」
相変わらず顔を赤らめたまま苗は頷く
晴樹は人混みを抜けると海岸沿いの遊歩道へと向かった‥
海から贈られてくる日本特有の生暖かい海風になんだか翻弄されそうになる
晴樹は苗と近くのベンチに腰掛けた‥
ところどころで恋人同士の姿が目につく‥
中には完全に二人の世界に入っている若者も多く見かけた