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君に熱視線゚
第33章 夏祭り
「じゃあ苗、また来年な!」


田舎での日々もあっという間に過ぎ、自宅に帰る苗達を駅まで皆が見送りに来てくれていた。


「おばちゃんも悟ちゃんもまたね!!
着いたら電話するから」

苗はそう言いながら皆とハグを交わしていく。


そして、悟は晴樹に手を差し出していた‥

「じゃあ、結城さん‥
“俺の代わりに”苗のことを頼みます!!」



晴樹はそんな悟の手を握り返して言った。

「あぁ、
“苗を守れるのは俺だけ”だから安心しな…」

「──……」


晴樹の口振りに一瞬驚いて目を見開いた悟の唇がクスリと笑みを浮かべる。

悟は背の高い晴樹を真っ直ぐに見上げた。

「──‥いずれ近いうちにそっちに行きますから‥」


「───…!?」

悟の付け加えた言葉に晴樹はえっ?と悟を見つめた

悟は余裕の笑み返しながら苗達に乗車を促す


「苗、そろそろ電車乗った方がいいよ‥」

「うん!」

悟は苗の頭を優しく撫でる‥


「じゃあ…な…──もう少ししたらまた傍に居てやれるから‥」

「‥?」

微笑みながら言った悟の言葉に苗はきょとんとした顔を向けて手を振り電車に乗った‥










「兄さん、飛行機に乗るの苗初めてだょ!」

電車の中で苗は無邪気に語っている

あの花火の日とは違って普段の苗のようだ‥
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