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君に熱視線゚
第34章 誤解
夏目はアキが提案した映画、スィーツ店、海辺のツーリング、そしてケンチキ‥
苗との思い出に携わるものはすべて却下していた。
‥忘れる為にデートしてるのに思い出させてどうすんだよっ!
そして、ウルウル目で拗ねた顔をするアキに言った。
「そんなに食いたいなら
俺、ゲーセンで待ってるから食ってこいよ。」
「‥っ」
夏目の返事にアキは顔をこわばらせる
‥チッ、せっかくとびっきりの拗ねフェイスを披露したのにっ
夏目は苗以外の女のコにはとことんクール・ガイだった‥
ただ、このクールな感じがいいとモテていた為、まさか夏目がおピンクの妄想癖でクローゼットに小指をぶつけたなどとは誰も想像出来ない。
夏目がおかしくなるのは苗が関連している時しかなかったからだ…
「じゃあファミレス行こ」
アキはケンチキを諦めた‥
夏目と腕を組みキャッキャッとわざとらしくはしゃぐアキに夏目はため息が漏れる‥
‥何がそんなに楽しいんだ?
笑っていても周りの視線を気にしているアキの笑顔はやっぱり作りものだと思う‥
笑顔なら‥‥やっぱり苗だよな…
苗の笑顔が懐かしい‥
思い出した瞬間、熱くなった目頭に力を入れて夏目は帽子を目深に被った―――