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君に熱視線゚
第36章 続 バカンス
トイレから出て手を洗いながら部屋が静かになったことに気づく‥
気になって洗面所から部屋を覗くと‥
──?!‥早っ…
苗は夏目のベッドに寝ていた…
「ちょっ‥と、苗?
大丈夫かよ‥」
‥急性アル中じゃないよな
夏目は不安になりながら、恐る恐る苗に声をかけた。肩を揺らすとぅん‥とだけ返事が返ってくる
‥完全に寝る体勢に入っていた
「‥苗‥」
夏目は苗の側に腰掛け苗の髪をくしゃっと撫でる‥
『酔ったら俺が部屋に連れてくから!』
‥はぁ//
どうしよう‥‥
「連れて行きたくねぇよ//」
夏目は投げ出された苗の手に自分の大きな手を重ねボソっと呟いた
苗の手を握り締め夏目は熱く潤む瞳で苗を見つめる
都大会は今のタイムなら余裕でイケル‥
でも‥
来年の夏の国体は遠すぎる―――
交した約束を達成する自信は大いにあるけど‥
自分自身が待ちきれない。
夏目は今回のことで学んだ‥
勝負ごとは一歩でも退いた者の負けになる。
だからこれからは何に置いても自分から身を引くことは二度としない―――
夏目は苗とのことでそれを学んだ。