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君に熱視線゚
第38章 学園祭*付録
苗にそう囃(はや)され、さっきの“梅せんべい”で安心したのか二人はガブッっと手にしたえびせんを頬張る!!!
その瞬間、苗は得意気に語り始めた──
「北は北海道!──南は九州、沖縄まで小さな島国日本のわびさび、人情は涙無くして語れねぇって話よっ!
なっ兄さん方どうでぃっ!
あっしのこしらえた“涙煎餅”はっ!?」
‥────・・・
な‥みだ‥煎餅!??
その説明を受けた瞬間鼻の奥までツーーンとした強烈な痺れが突き抜ける!!!
目に染みるような刺激が鼻の粘膜を犯しイカメン二人は涙を流してそのワサビの刺激に耐えていた
「どうでぃ兄さん方っ?
聞くも涙、語るも涙!!
そのお味を愛しいあの娘に語ってちょ!!」
‥愛しいあの娘ってお前だろうがッッ!!!
江戸っ子になりきって語る愛しいあの娘を前に初めて恋敵同士の感情が一致する!
晴樹と夏目は鼻を真っ赤にし、もがきながら苗を恨めしそうに睨んでいた‥
「はぁ―――痛ぇ‥
まだ鼻がどうかある…」
苗の過剰なおもてなしに晴樹の鼻はまだ不調を訴えている‥
苗はお詫びのしるしに昆布茶を入れて上げた