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君に熱視線゚
第40章 心の変化
『恩、返し?──…なんだ…そか──…やっぱり恩返しか…』
「‥‥うん?」
ほんの少し弾んだ気持ちが瞬く間に底無しの沼に沈んでいく‥
晴樹は小さくため息をこぼしながら笑みを浮かべる‥諦めと言う名の悲しい微笑みを浮かべ、無理に明るい声で答えていた
『そか‥ じゃあ!‥
苗が看病してくれるなら、いっそのこと不治の病にでもなろうかな?
そしたら苗は一生俺を看てくれるか?』
「ん!??‥富士の山?」
『―――‥・・・』
「ごみ‥ちょっとしたジャパニーズジョークだょ‥元気出してもらおうかと思って‥//‥」
『別にいいよ‥。
もう、今日は疲れたから電話切るからな‥』
怒る気力もない晴樹はため息をつきながらそう言うと、苗のボケに突っ込まず静かに携帯を切った‥
‥元気出して‥か…
同じ冗談なら一言、ずっと傍で看てあげる!そう聞けば一発で元気になるのに‥
そんな言葉も言ってはくれない‥
だから‥もう、苗には何も望まない‥
それでいい──
晴樹はソファの背もたれに頭を預け天井を見上げると瞼を閉じて深いため息をつく‥