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君に熱視線゚
第41章 心の変化(苗の異変)
「‥ちょ、わかったから引っ張っるなよっ」
「‥あっ、
‥兄さ──‥」
リディの荷物をたくさん抱え、歩きにくそうに腕を引っ張っられる晴樹に呼びかけたが晴樹の耳に苗の声は届かなかった。
‥兄さん‥‥
二人の背中を見つめる苗の表情がふと、微かに曇る‥
苗はひそかに落ち込みながら、そんな二人の後をついて行く‥
店の外で二人を待ちながらショーウィンドウに寄り掛ると苗はふと足元に目を落とした。
そして小さくため息をついてポツリと呟く‥
「‥はあ‥
映画‥始まっちゃった‥」
ため息と一緒にほんの少し、じんわりと苗の瞳に涙が浮かんだ‥
苗の家にはDVD機器がない‥
レンタルして観れない為に新作映画はテレビのロードショーでしか視聴できないのだ。
最初から観れないとわかっていれば諦めもつくが、今日は完全に映画を観る気満々だった苗はかなりがっかりしていた
リディに引っ張り回わされる晴樹にチラリと目を向けて、再び苗はうつ向く。
・・・・‥
―――‥苗の‥
苗の兄さんなのにっ‥‥
晴樹の腕に絡みつくリディを見て、ふと苗の中にそんな感情が芽生えていた