この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
君に熱視線゚
第42章 すれ違い
「──…久しぶりに出たみたいね‥」
オカンは熱く赤い顔で荒い呼吸を繰り返す苗の様子を見て額に手を当てながらそう呟いた‥
「空。とりあえず救急車呼んで‥」
「わかった‥!」
一緒に苗の様子を陸達と覗き込みながらオカンは空にお願いする‥
肝心のオトンが酒を飲んで寝てしまっていた為に救急車を呼ぶしかなかったのだ‥
「姉ちゃん大丈夫か?」
陸達が心配しながらオカンに聞いてくる
「大丈夫よ、風邪じゃないから点滴ですぐ治ると思うわよ、
‥でも、ほんと久しぶりに出たわね?なんでかしら‥」
オカンは陸達にそう言い聞かせながら冷たいタオルを苗の首筋に当てた。
久しぶりに出た苗のこの症状‥
そう‥陸達が産まれる前はよく発病していた…
突発性の高熱発症‥
周りには疲れた時に、よく発病すると言っていたが実は発病する理由があったのだ‥
「急患はどちらですか!!」
救急車が家の前に止まり、ドヤドヤと靴を履いたまま救急隊の人達が二階に乗り込んでくる。
今にも破水しそうな妊婦のオカンとベッドに寝ている苗を見比べながら救急隊の人はそう聞いてきていた