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君に熱視線゚
第42章 すれ違い
‥やばいっ‥落ち着け…
晴樹は早打ちしてくる鼓動を落ち着けるように自分自身に言い聞かせる
『兄ちゃん落ち着いて
姉ちゃんは大丈夫だから、今、熱を下げるように点滴してるからさ。
今日は安静の為に病院に泊まって明日帰るって‥』
「熱?熱って風邪だったのか?‥」
‥風邪引いてたようには見えなかった‥
晴樹はそう思いながら問いかける
『違うよ、持病だってさ。』
「持病?」
‥持病‥‥‥あぁ‥
空の説明に晴樹は前にオカンから聞いた苗の持病の話しを思い出す。
“体が疲れやすくてね、すぐに高熱が出ちゃうの。だから、晴樹クン達みたいに頼りになるひとが居てくれて安心だわ!”
‥疲れやすくて高熱が‥
晴樹はその言葉を頭の中で繰り返す‥
そして、歯をギリっと喰い縛った―――
「俺のせいじゃねぇかよ!!!」
携帯を握りしめたまま自分自身に吐き捨てる!
‥俺のせいだ!
全然気づいてやれなかった!!
悔しさと腹立たしさ、そしてどうしようもない怒りが沸き騰がる
自分に対しての苛立ちに晴樹は瞳を強く閉じていた‥
『兄ちゃん?聞こえてるか?』