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君に熱視線゚
第42章 すれ違い


耳に当てた携帯からは空の声と看護師らしき女性の声が聞こえてきていた


「──‥大変だ‥」


晴樹はそう呟くと車のキーを鷲掴み急いで部屋を出ていく──


空から聞いた病院を思い出し、自分の車に乗り込むと真っ先に総合病院へ向かった













「先生、田中さんが破水したんですけどっ‥
頭がっ‥

赤ちゃんの頭が出てきてて」


「なに!?」


出産予定日を二日後に控えたオカンは苗のことでバタバタと動き回ったせいなのか、晴樹との電話中に破水し瞬間的な陣痛の後に赤ちゃんがスルリと産まれてきそうになっていた‥


今にも落ちそうな赤ちゃんの頭を出てこないように手で押さえ、看護師に支えられながらガニ股で走る母親の後ろ姿を空は唖然としながら追いかける


‥すげぇ、赤ちゃんってあんな簡単に出てくるのか


生命の誕生の仕方には様々な例があるということを、空にはまたの機会に教育し直さなければならないようだった‥


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