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君に熱視線゚
第43章 距離…
昨日の出来事が苗の頭の中で回想される‥
あちらこちらへといいように振り回されていた晴樹‥
怒りながらも『たくっ、しょうがないな』そう言いながら結局はリディの我が侭を聞き入れ買い物に付き合っていた。
“大事なお客‥”
‥しょうがないだよね…
大事なお客だから・・・。
半日の入院だった為に退院の支度も早めに終わり苗は再びベッドに潜り、携帯電話を見つめた…
おもむろに携帯のボタンをプッシュする‥
発信音のする機体を耳にあて苗は白い天井をぼーっと見上げていた…
『もしもし?
‥苗?おーい、苗?』
電話口からは出ても返事の返ってこない相手に焦って応答を願う声が響く。
苗が電話を掛けた相手は晴樹だった…
「もすもす‥」
『あ‥
苗、よかった。調子はどうだ?』
電話の向こうで安堵の吐息が漏れる。
苗は無意識の内に晴樹に話掛けた
「兄さん‥」
『あぁ、なんだ?
腹でも減ったか?
昼に退院だってさっきおじさんから連絡あったから、ついでに何か食って帰るか?』
明るく返す晴樹の声が頭にぼわんと響く‥
「兄さん‥あのね‥‥
迎え‥いいだから…」
──!?
『は!?‥』