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君に熱視線゚
第43章 距離…

思わぬ苗の言葉に、晴樹は唇を噛み締めた。

何も考えないように‥

そう自身に言い聞かせながら再び車を走らせる。ハンドルを意識しないとまともに運転が出来ない‥



晴樹の心は既にバランスを失い掛けていた―――










「じゃあ、
あまり無理すんなよ‥
しんどいなら明日も学校休めばいいから。」


なるべく‥
なるべく優しい言葉を‥

苗の自宅に着き、車から降りた苗に晴樹は運転席に乗ったまま優しい言葉を掛けてやる

「うん。兄さんありがと。」

「―――‥」

苗のありがとうの言葉が何となく胸に突き刺さる‥
車の中でも静か過ぎるくらい大人しかった苗‥

もしかして夏目のことを考えてたんじゃ…

そんな考えが頭をよぎる‥

「‥じゃ。」

晴樹は短い言葉を返しアクセルを踏んだ


ミラーの中、小さくなる苗が歪んでボヤける‥
晴樹は角を曲がると急ブレーキを掛けて車を止めた


「‥っ‥ふ‥‥」

途端に我慢しきれなかった声が漏れる──


“大ちゃんに迎えに来てもらった方が‥”

唇を尖らせ拗ねた苗の表情を思い出す。


「──っ‥なんだよそれっ!」


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