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君に熱視線゚
第5章 ザ・田中家
照り焼きソースを塗ったように日焼けした顔。不精髭を伸ばし、苗に似たクッキリの目で小指を立て豪快に笑う‥
まるで島国の人を思い出させる…
‥すっげ‥想像通りだ──
晴樹は生唾を飲んだ
「父ちゃん何言ってんの!?
あっ兄さんはこっち座って!」
満作父さんに出会えた喜びを噛み締めながら晴樹は苗の後についていく
8畳間に敷き詰められたテーブルを股ぎながら歩くと苗は我が家の大事なお客さんだ!と皆に紹介し、うすっぺらい座布団を三枚重ねて晴樹を上座に座らせた。
「食事の用意するからテレビでも観てて!」
苗は晴樹にそれだけ言うと台所に消えて行く
取りあえず晴樹はテレビに目を向けニュース番組を見た
「……?」
そして妙な視線に気づき斜め隣に座っていたばあちゃんと目が合う‥
ばあちゃんは晴樹にそっとミカンを差し出した
「あ、ありがとうございます…」
そして、しばらく経つと三つ子が狭い場所でドタバタと暴れ出しプロレスを始めた。
暴れ回る三つ子の足が時折晴樹のケツに蹴りを入れる…
晴樹はその度にお茶を吹き溢し口を拭った。
‥こんな環境で育ったのかあいつは…
小さく尊敬してしまう。
そして、台所の方から苗が出てくるとテーブルに手際よく、ホットプレートを二つセットして食器を並べていく‥
「もぅご飯出来たから!」