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君に熱視線゚
第44章 恋の行方
「───‥ッ‥」
走りかけた車内から、携帯を手にして口パクで何かを言おうとしている姿が見える。
晴樹はそんな苗に頷きながら手を振っていた‥
「‥‥‥もしもし‥」
苗の乗ったタクシーを見送り晴樹は携帯を手にする。
「村井?ちょっと頼みがあるんだけど‥」
晴樹は村井に電話をかけ、何かの頼みごとをしていた…
「ただいま。‥頼みごとはどうなった?」
リディと外食を済ませ帰ってきた晴樹は早速、村井に尋ねていた。
「ああ、社用のタクシーチケットですね。直ぐにお届けして起きましたよ」
「そうか。じゃあ、もう安心だな‥
俺のしてやることはこれでなくなった‥」
「‥?‥晴樹さん?」
リビングのソファに腰を降ろし、晴樹はぽつりと呟く‥
‥買い物はタクシーがあれば出来る…
あとのことはお爺に頼めばいい‥
肘掛けについた手で頬杖つきながら晴樹は遠くを見つめていた‥
‥俺がアメリカに行っても苗が困らないようにはしてやりたい‥
ただ、こう考えてみると俺の代わりって‥誰でもいるんだな…
───…
ふっ‥なんだ、俺ってマジでたいしたことねえじゃん‥
晴樹は自分自身を嘲笑っていた…